不動産取引とは
不動産取引の各要素は以下のとおりです。
不動産取引とは、例えば売買でいえば、「不動産を、売買の意思と権限をもった売買当事者間で取引すること」です。そのサポートを行うのが、宅建業者となります。
- 土地、建物などの不動産
- 売主、買主などの売買当事者
- 宅建業者
不動産とは
民法第86条第1項には、「土地及びその定着物は、不動産とする。」とあります。定着物とは、容易に分離できない物を指します。居宅などの建物は、当然、不動産ですが、物置などの場合、その物置が土地にしっかりと定着されていれば不動産となりますし、手で容易に動かすことができるのであれば、不動産としては扱われません。
売買当事者とは
売買当事者とは、不動産の購入及び売却をする意思を持ち、かつ、その権限を有している人です。
宅建業者とは
宅地建物取引業とは、宅地若しくは建物の売買等の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいいます。
取引の準備
取引する上で、主に以下の箇所につき、宅建業者は調査を行います。
- 現地
- 売買当事者
- 法務局
- 市町村役場(法令上の制限)
- ライフライン(上下水道、電気、ガス)
- その他(マンション組合、高圧線管理電力会社など)
宅建業者は、以下の書類を作成し交付します。
- 重要事項説明書
- 売買契約書
- 媒介契約書
- 物件状況確認書(売主に作成を依頼する)
- 付帯設備確認書(売主に作成を依頼する)
- 個人情報同意書
重要事項説明書
重要事項説明書は、不動産取引成立するまでに宅地建物取引士が買主に対して説明し、交付する書面です。
重要事項説明書の目的は、「買主に最低限重要と思われることを知ってもらうことで、買主を不測の事態に陥らせず、不利益を被らせないこと。」です。法定の項目だけではなく、買主にとって重要な告知事項を明記していきます。具体的には、以下の5項目を中心に作成します。
- 購入の意思決定に関する項目
- 不動産の特定に関する項目
- 取引の目的に関する項目
- お金に関する項目
- 契約不適合に関する項目
重要事項説明書の原則
重要事項説明書は、推測や主観は書かずに現況をそのまま書くのが原則です。調査しても不明な点があれば、「調査した結果不明」と記載します。また、記載された数字や文章の基になる根拠も明示します。
売買契約書
売買契約書は、売買当事者間の契約内容をまとめた書類です。宅建業法上では、売買契約書上に記載すべき項目は12項目とされていますが、基本構造は以下の5点から成り立っています。
- 不動産の特定事項
- 売買代金
- 解除条件
- 契約不適合責任
- 想定外の対応
不動産の種別
土地の形質と種別
土地の形質とは、谷底平野(水害の可能性が大きい)、丘陵地(住宅に適しているが縁辺部は崖崩れの危険性もある)、扇状地(土石流の流出口にあたる)、造成地、埋立地などのことです。
土地の種別とは、宅地、田、畑、山林、原野、雑種地などのことです。
建物の形質と種別
建築物とは、「屋根があり、柱又は壁があるもの。」のことです。また、建築基準法上では、されに次のものも建築物として位置付けています。屋根、柱、壁はありませんが、建築物がその機能を発揮するために必要なものであるからです。
- 附属する門、塀
- 観覧のための工作物(野球場などのスタンド)
- 地下の工作物(地下街、高架鉄道の下の店舗など)
- 建築設備(電気、ガスなどの設備)
建物は、その材質によっても区別されます。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などがあります。
また、耐震基準によっても区別されます。
- 1950年(昭和25年)基準(旧耐震)
- 1981年(昭和56年)6月1日基準(新耐震)
新耐震基準に適合する建物かどうかは、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けたかどうかで区別されます。登記上の建築日だけでは判断できないため、別途確認済証や行政で建築確認日を確認します。